豆蔵、損保ジャパン様の攻めのDX実現に貢献!次世代基幹システムのアーキテクチャ構築と技術者教育のタッグで超大規模開発を牽引 ~損保ジャパン「未来革新プロジェクト」に提供した支援サービスの事例公開~

株式会社豆蔵(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:中原 徹也、以下 豆蔵)は、損害保険ジャパン株式会社(本店:東京都新宿区、取締役社長:西澤 敬二、以下、損保ジャパン)の基幹システム全面刷新プロジェクト「未来革新プロジェクト」に、アーキテクチャ構築と技術者教育のタッグで支援サービスを提供し、その成果を基幹システム刷新事例として、2021年2月に公開しました。

損保ジャパン様は、長年のニーズ対応で複雑肥大化した基幹システムを刷新し、攻めのDXの中核となる柔軟性のあるプラットフォーム構築を目指されました。豆蔵は、次期基幹システムに適用するフレームワークの評価をきっかけに、進化的なアーキテクチャ構築、開発自前化の技術者教育をご支援しました。豆蔵のアーキテクチャチームにより作成されたフレームワークとアプリケーション設計ガイドは2期開発に向け現在では2,000名強の開発者に利用されています。豆蔵の教育を受講することによって未来革新プロジェクトならではの設計手法を「理解」し、その理解とガイドをもとに「設計」し、フレームワークを使って「実装」するといった実開発にシームレスに繋がる独自教育のモデルを構築し展開することを実現しました。
 

【プロジェクトの背景について】

損保ジャパン様は新商品や商品改定など長年に渡る様々なニーズへの対応の結果、複雑肥大化した基幹システムが抱える問題を解消するため、システムを全面的に刷新することを決断されました。損保ジャパンは株式会社日立製作所との合弁により既存システムの開発を行うシステム子会社とは別に基幹システムの再構築に特化したSOMPOシステムイノベーションズ株式会社(以下、 SSI)を設立。基幹システムの再構築プロジェクトはSSIにより『未来革新プロジェクト』とし2015年から開始され現在は1期カットオーバーに向け佳境を迎えています。
 

この基幹刷新プロジェクトの特徴:

  • メインフレーム/COBOLで構築された現行基幹システムのオープンプラットフォームでの再構築
  • Javaを用いたスクラッチによる基幹システムの再構築
  • JavaEEを中核としたアプリケーション基盤の利用
  • 国内外を問わず大手開発ベンダーが複数参画するマルチベンダー開発
  • 数年に渡る工期とピーク時最大開発要員数が2,000人強となる国内屈指の超大規模システム開発
     

【豆蔵が提供したサービスの概要】

豆蔵はこの基幹システム刷新プロジェクトにおいて、アプリケーション基盤となるアプリケーションアーキテクチャの構築、及びそのアーキテクチャ上でアプリケーション開発を行うエンジニアに対する技術者教育、主に2つの支援を中心に行ってきました。今回はこのプロジェクトに対するアーキテクチャ構築と技術者教育という一見異なる2つの側面に対する豆蔵の活動と支援内容を事例として紹介します。

<アーキテクチャ構築支援サービス>

  • アプリケーション基盤の評価
  • アーキテクチャ構築支援
  • アーキテクチャ利用ガイド作成支援

<技術者教育支援サービス>

  • 講座カリキュラムの策定支援
  • 技術教育(オブジェクト指向/Java/JavaEE)の実施
  • 独自教育の構築と展開
図1 豆蔵のアーキテクチャ構築支援と教育支援の全体イメージ
 

<お客様の期待と豆蔵が提供した支援の成果>

お客様の期待①:内製化促進を目的にエンジニア社員の「技術の習得・スキル育成」を実現する講座カリキュラムの策定
支援の成果:

  • 豊富な教育サービス提供実績にもとづいた人材育成的観点によるコンサルティングと受講カリキュラムのテーラリング
  • アーキテクチャチームからの技術要素と深度のフィードバックによる最適化

お客様の期待②:未来革新プロジェクト独自の開発手法に沿った独自教育の開発と展開
支援の成果:

  • 豆蔵が持つ教育ノウハウをもとにしたコンテンツの作成
  • アーキテクチャチームと教育チームの緊密な連携による実開発にシームレスに繋がる独自教育の構築と展開

アーキテクチャチームにより作成されたフレームワークとアプリケーション設計ガイドは2期開発に向け現在では2,000名強の開発者に利用されています。また、技術者教育は内製化の促進に向け2016年から現在まで展開されており、延べ数百人の方に受講されています。さらに、独自教育については当初SSI社員だけを対象にしていたが想定を上回る高い評価をいただき、現在では開発ベンダーにもその門を開いています。

図2  Learning Management System (LMS) の利用イメージ
 

異なる担当領域ではあったがそれぞれのチームが強みを生かし双方で協調しながら支援を行いました。この結果、独自教育を受講することによって未来革新プロジェクトならではの設計手法を「理解」し、その理解とガイドをもとに「設計」し、フレームワークを使って「実装」するといった実開発にシームレスに繋がる独自教育のモデルを構築し展開することを実現しました。
このように本紹介はアーキテクチャ構築と技術者教育の両面で豆蔵がサービスを提供し超大規模開発を牽引した例となります。
 

損害保険ジャパン株式会社様からのコメント

損保ジャパンの浦川です。プロジェクト責任者として一言お伝え申し上げます。
2021年3月、いよいよ数年がかりで取り組んできた基幹刷新プロジェクトの本稼働を迎えることとなりました。今回の難事業を改めて振り返りまして、弊社IT子会社を含むIT部門において、顕著な変化が二点ありました。
まず一点目は、弊社社員の技術力、プロジェクト遂行力が格段に向上し、独り立ちできたという点。長らく保守中心、ベンダー依存が続いたため、大規模な新規開発プロジェクトを自ら遂行するには、多くの苦難がありました。豆蔵様には、アーキテクチャ、そして社員教育、この弊社技術力向上の要の2施策で中核となり、弊社社員を支えて頂きました。現場目線でのアーキテクチャ設計と、技術研修を両軸で遂行できる企業は稀だと思っています。作成いただいた研修資料を拝見しましたが、JavaEE7を保険アプリケーションの特性を理解した上で利用方法について具体例を交えて記載してあり、感動いたしました。多数の社員を育成いただき、お陰様で内製化への道筋も見えて参りました。
二点目は、当初社内でも反対意見があった最新オープン技術を基幹システムに全面採用したのですが、その方針が正しかったと確信できた点。特に、アプリケーションフレームワークとして採用したJavaEE7は、日本で本格採用している企業は稀で、日本人技術者も多くはありませんでした。豆蔵様は先進的な技術力で弊社のニーズを把握し、アーキテクチャレビュー、その知見を生かした弊社社員教育の両面で、プロジェクトメンバーの確実な技術力向上に高い貢献をいただきました。
JAVAは、基礎的な研修は多々存在するのですが、金融機関の基幹業務を開発するにあたって、どのようなアノテーション(API)を使うべきなのか、再利用性やパフォーマンス、資源効率化など、さまざまな観点での考慮を十分に取り込み、取り組んでいただけました。
立ち上げ当初、マイクロサービスアーキテクチャはまだそれほど世の中に広まっていませんでしたが、今回の基幹システムの根底にある設計コンセプトとしていました。ただ、実務レベルでこのアーキテクチャを具現化している例も稀で、実装にはかなり苦労をしました。その度に、豆蔵様と膝詰めでレビューを進め、性能が十分に出る実装方法にたどり着くことができました。
今回のアーキテクチャは、Cloud Nativeとの親和性が非常に高いため、SORに相当する基幹システムながら、攻めのDXの中核とすることができる、柔軟性に富んだインフラを手に入れることができました。ブレのない設計思想でサポートいただいた豆蔵様のご支援の賜物と考えております。
末筆になりますが、本稼動を迎えるにあたり、改めて豆蔵様の高い技術力、お客様に対する貢献したいという強い熱意、そして諦めない強い意志に敬意を表し、深く御礼申し上げます。


損害保険ジャパン株式会社 取締役専務執行役員CIO 浦川伸一

この事例をご紹介するウェブページのURL

 https://mamezou.satori.site/bs-spjcase0102
 

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