豆寄席第20回『アーリースタートアップにおけるプロダクト開発』開催報告

中山 尚子

本稿は、豆寄席第20回の開催報告です。
 

開催概要

タイトル アーリースタートアップにおけるプロダクト開発
講演者 株式会社テックフィード代表取締役 白石俊平氏
開催日時 2022年7月21日(木)18時30分~20時00分
講演概要

少人数なスタートアップがどのようにプロダクト開発を行なっているかを、実際の開発例を通じてお伝えします。 講演者は、以前はエンタープライズ開発に携わっており、業務モデルのモデリングを手掛けていました。そうした開発モデルとの違いなどについても、思うところをお話しいただきました。

講演の流れ

白石氏の最近の開発事例を元に、アーリースタートアップのプロダクト開発の実際の解説、エンタープライズシステム開発とスタートアップにおけるプロダクト開発の違いに関する考察をお話しいただきました。

  1. 自己紹介 / TechFeedの紹介
  2. 開発事例の概要
  3. 弊社プロダクト開発モデル
  4. 開発事例の詳細
  5. エンタープライズ開発 / アジャイル開発との対比・私見
     

当日の様子

スタートアップに取り組んでいる方、プロダクト開発やエンタープライズシステムに携わっているエンジニアの方にご参加いただきました。参加者からの質問を通じて、講師の白石氏から実践されている方ならではのリアルとして、具体的なやり方やどう考えてどう取り組んでいるかをたくさんお話しいただきました。

また、今回からの試みとして講演終了後に交流会を開催しました。半分ほどが引き続き参加くださり、各自で飲み物を用意してスタートしました。講演者へざっくばらんに質問したり情報交換したりと、大いに盛り上がりました。次回以降も交流会を開催していく予定です。
 

今回得られたこと(所感)

スタートアップは、めちゃくちゃ大変、でも面白い!という印象を持っていました。講師の白石氏はそれを体現されたような方でした。

実際のスタートアップでプロダクト開発がどう進むのか、さまざま驚きがありました。期間が短すぎる!というのが一番の驚きでした。サービス開始5日前に、予定していなかった新しい機能追加を決定してリリースしてしまうという速さです。なぜ短期間にできるのかというと「品質を捨てている、速さをとる」とのことでした。すぐには納得できず解説を聞くにつれ、何に価値をおき、どうアプローチするかが違っていて、それが骨身にしみているからだと理解できてきました。スタートアップは、何をつくるべきか誰も教えてくれない、もとい誰も知らない。業務を支えるシステムではなく、使いたい人が使うサービスのため、つくってユーザーにぶつけてみないことには何が刺さるのかわからない。そのため、常に仮説検証のプロダクトになり、最も時間がかかる開発を短縮するため、本当の本当にギリギリしかつくらない。MVP(Minimum Viable Product)の必要最低限とはこうことなのかと思いました。そして、仮説検証を中心にする=ユーザーエクスペリエンス(UX)駆動で進めることになる。UXが悪いと仮説検証にならないという現実があるそうです。さらに、集権的なプロダクトマネジメントを行っていることも速さの理由とのことです。ガチのMVP、UX駆動、集権が揃って、速くて実のあるスタートアップが実現されるということでした。

まとめの「『何をつくるべきか?』を知るアプローチが開発プロセスを変える」は、目的に応じて柔軟に変化させていくという、スタートアップに限らないコツだと感じました。
 

今後の 豆寄席 へのご参加もお待ちしております!