豆蔵コンサルタントが開発した、深層学習による宇宙観測データの分析手法が学術論文誌に掲載

豆蔵コンサルタントが主導し、立教大学人工知能科学研究科を含む国際研究チームは、深層学習により宇宙観測データを分析する手法を新たに開発しました。この成果は学術論文誌「Solar Physics」に掲載されました。

宇宙データへのAI技術の応用

近年、人工衛星により宇宙、地球に関して膨大データが得られるようになってきており、科学研究の他、産業応用にも注目が集まっています。衛星によって取得されるデータは日々増大していますが、衛星データを分析することができる人材は限られており、分析プロセスの一部を自動化するため、AI技術の活用が期待されています。

今回対象としたのは、米国の科学衛星 RHESSI により取得された太陽フレアの観測データです。この衛星による観測データは分析が難しく、複雑なアルゴリズムを用いてデータ処理を行う必要があり、科学的に重要なデータの判別は熟練の研究者による目視確認によらざるを得ない場合が少なくありませんでした。言い換えると、科学研究においても、経験と勘に頼る部分があったということになります。このような状況では、データ活用の敷居は高く、データ自身が持つ価値が十分に活かされないという問題が起こり得ます。

本研究で作成した深層学習モデルを利用すると、複雑なデータ処理アルゴリズムの理解や、熟練の研究者による目視判定がない場合でも、対象とした種類の「科学的に重要なデータ」の判別を簡単かつ自動的に行うことができます。

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学術論文誌に掲載情報の詳細

S. Ishikawa, H. Matsumura, Y. Uchiyama and L. Glesener "Automatic Detection of Occulted Hard X-ray Flares Using Deep-Learning Methods," Sol. Phys., 296, 39, 2021

https://link.springer.com/article/10.1007/s11207-021-01780-x

ArXiv  https://arxiv.org/abs/2101.11550 

 

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豆蔵では、衛星データ分析、衛星搭載機器開発等の経験が豊富なメンバーによる、衛星データ利活用サービスを提供しています。衛星による地球観測データは、既存のデータと組み合わせることで大きな付加価値を与える可能性を秘めています。貴社が保有するデータと衛星データを組み合わせ、新たなインサイトやビジネスの創出をご支援いたします。
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掲載誌情報

Solar Physics 誌は Springer 社が刊行する査読付き学術論文誌で、太陽に関連する研究分野において代表的な論文誌です。
https://www.springer.com/journal/11207
 

関連リンク

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