【組込み向け】要求基礎講座

概要

ソフトウエア開発において、発生するエラーの主な原因は、要求・仕様の不完全さだと言われています。実際、不正確な要求による開発の混乱やコードの書き直しといった手戻りを体験されている方も多いと思います。


弊社がコンサルティングで訪れた開発現場でも、どのように要求を獲得するのか、要求をどのようにして仕様まで落としこんでいくのかといった課題はどの現場でも常に存在しており、ソフトウエア開発を改善していくための普遍的な課題のひとつといえます。


本教育はそうした「要求」とそれに関係する概念を体系的に整理し、要求とは何か、要件とは何か、また、ソフトウエア開発におけるそれらの役割について解説していきます。また、要求や要件を他者に伝えたり、他者と共有する際のポイントや内容を確認するためのポイントといった開発の現場で役立つノウハウや、ユースケースや形式手法といった要求と関連の深い技術についても紹介していきます。

日数

1日

時間

7時間 (10:00 ~ 18:00)

教育受講料(税込)
  • オープンコース教育: 現在実施していません。 
  • オンサイト教育: 440,000円 

 ※想定受講者数20名。受講者数が20名を超える場合は費用が変わります。 
 ※Zoom等によるオンライン教育実施も可能です。お気軽にご相談ください。

対象者
  • ソフトウエア開発者
  • 要求管理担当者
  • 製品企画担当者
  • システムを発注する側の要求担当者
前提条件

特になし

到達目標
  • 以下の重要な項目をよく理解し、人に説明できるようになる
  • 要求や要件とは何か(目的/役割、要点、互いの関係、実践のポイント)
  • 要求や要件に対する分析の役割
  • 要求や要件が備えるべき特性とその精査方法のポイント
  • 要件の伝達・共有のポイント
  • 妥当性確認の必要性・プロトタイピングの留意点・実施のポイント
  • 各種レビューの存在と使い分け
  • 戦略的な要求・要件開発の重要性と実践方法
  • 要求や要件に関し、自組織の弱いところを識別でき、改善の方向性を提示できるようになる
講師より

こうした要求に関する概念を体系立てて整理している教育研修は大変珍しいものです。ですので、本教育は、これからソフトウエアの世界に入ってくる人が基本的な知識を身につけるためにも役に立ちますし、日頃要求に悩まされている要求管理担当の方がその原因を発見するのにも役に立つ教育研修です。是非、受講してみてください。

内容

形式:講義+演習(個人)
1. はじめに
 

2. 要求の重要性と問題
1) エラーの主原因
2) よく目にする好ましくない現象
3) 要求・要件・仕様の一般に認知されている問題点
 

3. 要求領域の概要
1) 要求領域~本講座で取り上げる範囲~
2) 要求エンジニアリング(狭義)の活動構成
3) プロジェクト立ち上げ時の活動~先立つ活動~
4) システム要求の獲得
5) システム要求の分析
6) システム要件/仕様の作成
7) 活動間の関係のまとめ
8) 要求・要件・仕様の違いと関係
9)  その他識別すべき違い
 

4. 要求の獲得
1) 要求とは何か
2) 要求の種類
3) 非機能要求(品質要求)
4) 要求の構造
5) 要求の獲得のステップ
6) 要求の生成源の特定
7) 要求の抽出
8) 要求の折衝
9) 要求の文書化
 

5. 要求の分析
1) 分析の概要
2) シナリオ定義・分析
3) モデルベース分析
4) 要求・要件への抽出の利用
 

6. 要件の作成
1) 要件作成の概要
2) 要件とは
3) 要求と要件との関係
4) 要件作成のステップ
5) 要件の抽出
6) 要件の文書化
7) 要件の合意
8) 要件と仕様
9) 形式手法

  ・形式手法とは
  ・形式手法の効果

10) 要求のもう一つの文書
 

7. 要求・要件の事前精査
 

8. 要件の伝達と共有
 

9. 要求の妥当性確認
1) 妥当性確認とは
2) 妥当性の手法/技法
3) 妥当性確認の基本ステップ
 

10. 部分システムの場合の対応と要求の割り当て
 

11. 要求管理
 

12. 要求に関する計量
1) 計量の典型的な視点/目的
2) 代表的な計量尺度
 

13. 要求開発
1) 要求の特性
2) 要求・要件の成長の側面
3) 要求開発
 

14. 要求ツール
1) 要求ツールの主機能
2) 代表的なツール
 

15. まとめ