ソフトウェアプロダクトライン入門

概要

ますます厳しくなる製造業の世界においてマーケットが求める製品群をいかにタイムリーに高い生産性のもとで品質を確保してリリースするか、そのための体系的な取り組みが求められています。そのためには、単純にソフトウェア開発プロセスを導入するだけでは済まされません。

マーケットの求めるニーズに対応する製品企画と適切なソフトウェア工学にもとづく設計技術力と品質を確保した実装技術を備えた開発プロセスの実施、これらの戦略的な融合こそが求められているのです。そこでいま注目されているのがソフトウェアプロダクトラインの考え方です。この方法論はSEIで体系化され,製造業の組込みソフトウェアやパッケージソフトウェアベンダーを中心にシリーズ製品開発を行うソフトウェア開発組織で導入する企業が年々増加してきています。

ビジネスとIT技術と組織の3者に戦略的な資産の再利用という観点で切り込むことにより、生産性や品質、納期を著しく改善する可能性に各社とも熱い視線を向けているのです。


豆蔵では、長年蓄積してきたオブジェクト指向技術、並びにCMM/CMMIの導入支援の成果をベースに、組織内で再利用を展開するプロダクトラインの導入に取り組んでいます。そこでの経験、ノウハウを基に作成したのが本講座です。
豆蔵の上級コンサルタントが例題の解説や受講者からの疑問にインタラクティブに答える形で、実際の適用や導入に関する知識も学んでいくことができます。

日数

1日

時間

7時間 (9:30 ~ 17:30)

教育受講料(税込)

オンサイト : 440,000円
※想定受講者数20名。受講者数が20名を超える場合は費用が変わります。

対象者
  • オブジェクト指向プログラミング言語を習得したい方
  • 組込み系ソフトウェアの現場の生産性や品質を向上させたいと考えているソフトウェア技術者の方
  • 製造業において生産性と品質・納期の向上のためにソフトウェア開発プロセスを組織的に改善させたい
  • マネージャの方
  • 自分の事業や製品ドメインに対するソフトウェア開発技術やプロセスを組織的に見直したいマネージャや
  • 経営層の方
前提条件
  • 組込みや製造業向けのソフトウェア開発の進め方の概要を理解されている方。
  • 組込みや製造業向けではないが、シリーズ開発で組織的な再利用を検討されてきた方。
到達目標
  • ソフトウェアプロダクトラインの基本概念、全体構成、及びいくつかのプラクティスエリアの目的や プラクティスパターンを理解し、プロダクトラインの活動の価値を理解できるようになる。
  • プロダクトラインにもとづくソフトウェア開発の方法論の概要を理解する。
  • 適用事例から実際の取り組みを知ることによって、自社内で適用に関する検討開始の機会を掴めるようになる。
講師より

ますます厳しくなる製造業の世界においてソフトウェア開発プロセスの改善が大きな武器になります。


そこでいま注目されているソフトウェアプロダクトラインの考え方を開発組織に導入することにより、 生産性や品質、納期を著しく改善する可能性があります。


このコースでは、ソフトウェアプロダクトラインの意味するところとその勘所を的確にお伝えするとともに、実際に導入した場合、開発はどのようなスタイルになるのかを例題を踏まえてご理解いただき、適用事例とともに今後の現場への導入の指針にしていただければと思います。

内容

1. はじめに
1) 本講座の主な内容
2) 本講座の構成
3) 本講座を受けての達成目標
 

2. プロダクトラインの背景と現状
1) 現状 ~組込み系の場合~
2) プロダクトラインの背景/課題
3) 周囲の取り組み状況
4) なぜプロダクトラインなのか?
 

3. プロダクトラインの概要
1) プロダクトラインとは?
2) プロダクトラインが目指す姿
3) プロダクトラインの全体構造
4) プロダクトラインの基本的活動
5) プラクティスエリアとプラクティスパターン
 

4. プロダクトラインのプラクティスエリア紹介
1) プラクティスエリア概論:29個に対する3つのカテゴリ
2) プラクティスエリア解説:ソフトウェアエンジニアリング編
3) プラクティスエリア解説:技術管理編
4) プラクティスエリア解説:組織管理編
 

5. プロダクトライン実践のためのプラクティスパターン紹介
1) プラクティスパターン概論
2) 12個の基本プラクティスパターンの紹介
 

6. プロダクトラインの導入に向けて
1) プロダクトラインアセスメント
2) プロダクトラインによる再利用開発
3) プロダクトラインの効果と導入
4) 再利用型開発へ移行するためのアプローチ
 

7. 適用事例
1) 海外事例
2) 国内事例
 

8. 質疑応答