豆寄席第31回『経営者・マネジメント層のためのChatGPT活用法 ~人とAIの共創のために~』開催報告

小笠 由貴

本稿は、豆寄席第31回の開催報告です。

開催概要

タイトル 経営者・マネジメント層のためのChatGPT活用法 ~人とAIの共創のために~
講演者 ビジネスファシリテーション・サービス代表 新岡 優子氏
株式会社サンクスUP 代表取締役 松山 将三郎氏
開催日時 2024年1月26日(金)18時30分~20時00分
講演概要

中小企業の経営者とビジネスパーソンのマネジメント層に焦点を当て、書籍『ChatGPTで経営支援 強い組織の築き方』の実用的な活用法を探ります。 本書は、ChatGPTを経営支援にどう活用するかに焦点を当てており、経営戦略の策定から実行までのサポート方法を紹介します。具体的には、戦略的ビジョンの構築、人財育成評価基準表の作成、OKRの組織導入など、実践的なケーススタディを提供します。
書籍は、AIアンドロイド「ソフィア」を中心に物語形式で展開し、520ページ約30万字に及びます。これらのページの多くは著者とChatGPTが共同で執筆しています。 経営者編、組織編、管理職編、ビジネスリーダー編、リスキリング編に分けて展開されています。著者の新岡と松山が、このChatGPTとの共創プロセスを振り返り、得られた知見を共有します。本講演では、書籍の内容とChatGPTを活用した経営戦略の開発についての洞察を提供し、参加者に新しい視点を提示します。

講演の流れ

この講演は2023年11月に出版された『ChatGPTで経営支援 強い組織の築き方』の共同著者である新岡氏、松山氏にご登壇いただき、下記の流れでお話いただきました。

  1. 書籍化のきっかけ~解説
  2. マンダラチャートとChatGPT
  3. ChatGPTによる経営戦略の組織浸透支援
  4. ChatGPT的テキスト生成の極意
     

書籍化のきっかけ~解説

新岡氏と松山氏と寺下氏(豆寄席は不参加)が共同執筆するに至った経緯、書籍のコンセプトや編成をご紹介いただきました。

書籍のコンセプトは『人とAI』の共創、『人と人』の共創とのことです。
新岡氏は、それぞれについて以下の様に述べていました。

『人とAI』の共創

  • 人間と人工知能(AI)が協力して新しい価値やソリューションを生み出すプロセス
  • AIはデータ分析、パターン認識、意思決定のサポートなど、特定の能力で人間を補完する
  • AIが提供する洞察と人間の創造性や経験が結びついて、新しいイノベーションや効率的な問題解決が行われる

『人と人』の共創

  • 異なる個人やグループが協力し、アイデアやリソースを共有して新しい価値を生み出すプロセス
  • 多様な視点、経験、専門知識を持つ人々が相互に作用し、創造的な解決策や革新的なアイデアを生み出すことを目指す

また、このパートでは、ChatGPT-3.5とGPT-4の違い、安全に使うためのチャット履歴の無効化やデータ利用拒否の申請方法、データの匿名化についても教えていただきました。
 

マンダラチャートとChatGPT

松山氏から、マンダラチャートの説明とそれを作成する際にChatGPTをどのように活用するかについて、以下のポイントでお話いただきました。

  • マンダラチャートとOKR(Objectives and Key Results)を組み合わせた「マンダラOKR」は、目標を視覚的に表示し、進捗を具体的に追跡するのに役立つ
  • マンダラチャートをチームで作成することで、組織が強くなる。このプロセスにChatGPTを取り入れることも一つの方法
  • マンダラチャートを最初から完璧に作成する必要はなく、詰まったらChatGPTに相談するのも良い

さらに、松山氏が自作したマンダラチャートを使用しながら、ChatGPTとの対話やリフレクション機能を備えたチャットボットのデモを通じて実践的なレクチャーを受けました。マンダラチャートは触れる時間が増えると変化し、周囲に伝染していくものだそうです。
 

ChatGPTによる経営戦略の組織浸透支援

ここでは、AI×組織開発×経営戦略についてお話いただきました。
新岡氏は経営戦略にAI(ChatGPT)が使えるのではないかという事に着目し、その中でも経営戦略の組織浸透にこだわりを持っているそうです。

目標の設定・管理方法のひとつであり戦略の見える化を助けてくれるOKRの導入は、日本企業の組織課題の一つであるとのことです。
日本企業ではOKRという言葉自体にあまりなじみがありませんが、経営者にとっては重要な指標であり、知識が無くともAIが導入をカバーしてくれるので是非実践してみて欲しいとのことでした。
 

ChatGPT的テキスト生成の極意

ここからは、ChatGPT4使用の極意について以下の様な観点でお話いただきました。

ChatGPTの基本となる考え方

  • AIは道具。なんのためにどう使うのかを見定めて使うのが大事
  • AIが仕事を奪うのではなく、AIを使いこなしている人に仕事を奪われる
  • AIに何かをやらせるのではなくAIと共に創る
  • 人と思考を混ぜ合わせることとAIと思考を混ぜ合わせる事は大きく変わらない
  • プロフェッショナル(人)×プロフェッショナル(AI)
  • ChatGPT4は非常に優れているので、使用者のコーチ、メンター、コンサルタント、情報源、パートナー等様々な役割をこなせる
  • ChatGPTは疲れない、24時間働き続けられる。安価で何を言っても、無茶を言ってもパワハラにならない(とはいえ、AIというパートナーとしてリスペクトを伴った使い方が必要)

ChatGPTを扱うには対話力が重要

  • ChatGPTの扱いで重要なのは質問力というより対話力
  • 最初の質問で絞りこみすぎないように気を付ける
  • 対話の基本は良い(オープンな)質問をすること
  • いいね、ありがとうは必要
  • 時にChatGPTは忖度をしてくるので、確からしさを確認すること
  • ChatGPTが正しく理解しているかを確認すること
  • わかりやすく伝えることを心掛ける

また、ChatGPTに依存する癖がついてしまうと、頭脳労働者の創造性などの知的能力を減退させる恐れがあると言われているようです。その一方で組織的・技術的な投資を最小限に抑えて、頭脳労働者の生産性や仕事のクオリティを高める上で極めて効果的なツールとしての活用方法もあるとのことでした。

そのため、生成AIの得意領域と不得意領域を正確に見極めることが、これからの企業にとって重要な課題になるそうです。
 

所感

この講演では、普段AIに触れる事のない経営層やバックオフィスの方向けにいかにAI(ChatGPT)が重要であるかを指し示していただきました。知識が無くても新しい事にチャレンジできるきっかけを与えてくれるパートナーとしてChatGPTを活用することは非常に有用であると感じました。

また、新岡氏が述べていた「ChatGPTを使うと文章をたくさん書いてしまう」というのも頷けます。現に筆者がこの参加レポートをChatGPTの手を借りながら執筆し、文章を書く事がうまくなった気になっているからです。

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今後の 豆寄席 へのご参加もお待ちしております!