【事例】[生成AI活用] オントロジー技術を基盤とするナレッジグラフ(知識グラフ)を用いたデリバティブ部門の暗黙知→形式知化事例

業種・業態

金融(取引所金融商品市場の開設・運営に係る事業)

会社名

株式会社日本取引所グループ 様

概要

株式会社日本取引所グループ様では、市場の持続的な発展と高度化を推進する中で、20年以上の業界経験を有するベテラン職員に蓄積された属人的な業務知識、すなわち暗黙知の継承・活用が課題となっていました。

 

 

そこで豆蔵は、まず大阪取引所のデリバティブ部門を対象に、生成AIを活用して課題の本質に関わる事象を抽出し、オントロジー技術を基盤とするナレッジグラフ(知識グラフ)を用いた「ベテランの思考プロセスの可視化」に関するPoCを実施した結果、今後の知識集合要素の1つとして、有効と判断いただきました。

 

 

今後はベテラン職員の暗黙知を形式知化する手段として、既存活用のRAGや他システムとの連携も視野に入れ、他のユースケースでも展開される予定です。

 


 

専門知識と20年以上の経験を持つベテラン職員の「暗黙知」を「形式知」に

内容

背景やビジネス上・業務上の実現されたいこと、乗り越えるべき障害点、成功のポイントなど

■課題

顧客のデリバティブ部門(大阪取引所)では、通常業務はマニュアル、システム化等で問題なく回っているものの、深い商品知識、経験が必要な一部の商品の市場動向の把握や取引状況の精緻な分析、新商品対応等において、言語化されづらいベテラン職員の専門的な知見が「暗黙知」となっており、部署内での知識共有が難しい状況となっていました。
金融市場は日々変化しており、より高度な判断を必要とされるため、部署内で専門的な知見を含む共通の判断基準を持てるよう、暗黙知の形式知化における生成AI活用を検討されていました。

■対策

一般的に暗黙知の形式知に用いられるSECIモデル(野中郁次郎氏らが提唱した、暗黙知を組織全体で共有・新たな知識を創造するナレッジマネジメントのフレームワーク)をベースとして、組織課題の洗い出し~思考プロセスの可視化~生成AI活用による暗黙知の形式知化(PoC)を実施いたしました。

■対応内容

  •  STEP1  形式知化 組織課題を抽出
    対象部署にてデプスインタビューを行い、課題の本質に関わる事象を抽出。
  • STEP2  表出化 ベテラン職員の知識体系を中間生成物として文書化「暗黙知」となっている背景や、様々な属性の方のインタビューを経て、組織課題を洗い出し、再度ベテラン職員とパネルディスカッションを行って思考プロセスを文書化する
    <中間生成物>
    ①ベテランの思考フロー(業務フロー)
    ②判断を行う上で必要となる知識の洗い出し
    ③判断に必要な情報源と基準
    を生成
  • STEP3  連結化 ナレッジグラフ(知識グラフ)活用
    表出化資料の①②と、ベテラン職員が日常的に活用している③情報源(多数)をオントロジー技術とAWS GraphRAG ToolKitを活用して、ベテランと近い判断基準を持つRAGを構築し、PoCを行いました。

 

 

■成果

  • ベテラン職員を含む、顧客による正誤評価68.7% 
  • 定性評価(達人度)評価は5段階中4が最多(48.3%)

となり、今後の知識集合要素の1つとして、有効と判断いただきました。

 


適用技術

AWS Graph Tool Kit(Amazon Bedrock,AWS Neptune,OpenSearch Serverless他)

適用サービス

生成AI活用 コンサルティングサービス